
建設機械や農業機械などで活躍しているゴムクローラーは過酷な環境で使用されるので消耗は早く、交換が必ず必要なものです。
そして、処分する際には産業廃棄物として扱う必要があります。
廃棄の際にはゴムクローラーの重さが処分費用の指標となることが多いため、重さを把握したいと考えている排出事業者様も多いはずです。
今回はゴムクローラーの重さの目安と処分費用を抑えるためのコツについて解説していきます。
ゴムクローラーの重さはどこを見ればわかるの?
ゴムクローラーの重さは、外見だけでは判断が難しいですが、内部構造に注目することでおおよその重量を推測できます。
特に、ゴム部分に組み込まれている芯金の配置が重要な指標となります。
芯金の配置や数、間隔は、クローラー全体の強度や耐久性、さらには重量に直結する要素です。
ゴムクローラーの重さは芯金の数とゴムクローラーの幅で概ね決まる

建機用のゴムクローラーと農機用のゴムクローラーは、同じ幅の製品であっても、内部の設計に大きな違いがあります。
具体的には、以下の点が重量に影響します。
芯金の間隔(ピッチ)と数(リンク)
芯金の間隔が狭く、リンク数が多い場合は、耐久性や荷重分散性能が向上する反面、使用する金属量が増え、結果として重量が増加する傾向にあります。
逆に、間隔が広くリンク数が少ないと、軽量化が図られている可能性がありますが、その分耐久性に差が出ることもあります。
こうした設計上の違いは、製品ごとの使用目的や環境に合わせた最適化の結果といえます。
ゴムの厚さと内部に組み込まれたワイヤー(スチールコード)の太さ
ゴムそのものの厚さや、補強材として使用されるスチールコードの太さ、材質も総重量に大きく影響します。
メーカーごとに異なる仕様のため、製品ごとに重量のばらつきが見られます。
以上のことから、正確な重量を把握し、処分費用を見積もる際には、建機用と農機用のクローラーで明確に区別する必要があります。
事前に各製品の仕様書やデータシートを確認し、芯金の間隔やリンク数、ゴムの厚みといった内部構造の情報をもとに評価することで、より正確な重さの把握が可能となります。
建機用ゴムクローラーの重さの目安は?
建機用ゴムクローラーは、一般的に幅が150mmから1000mmまで存在し、幅に応じて重量が大きく異なります。
- 150mmタイプの場合:1本あたり約20kg前後と、比較的軽量です。
- 1000mmタイプの場合:1本あたり約2000kg前後と、非常に重い製品となります。
これらの数値は各メーカーの仕様や設計によって差が生じるほか、使用状況により摩耗や劣化で重量が変化するため、あくまで概算値となります。
新品時の正確な重量は、各メーカーの公式サイトや製品データシートを確認することをおすすめします。
農機用ゴムクローラーの重さの目安は?
農機用ゴムクローラーは、一般的に幅が150mmから600mmまでのラインナップが多いです。
- 150mmタイプの場合:1本あたり約20kg前後。
- 600mmタイプの場合:1本あたり約180kg前後となるのが一般的です。
農機用ゴムクローラーは、建機用に比べてゴムの厚みや芯金自体が薄く設計されているほか、芯金同士の間隔(ピッチ)も広いため、同じ幅であっても総重量は軽くなります。
これらの特徴は、農作業などの軽作業向けに最適化されている結果と言えるでしょう。
処分費用を抑えるためには
ゴムクローラーの重量は、使用状況や保管状態によって変動するため、処分費用に大きな影響を与える要素となります。
特に、劣化や損傷により余分な油分や水分が内部に染み込み、本来の重量以上に増加することが懸念されます。
適切なメンテナンスと保管を行うことで、不要な重量増加を防ぎ、最終的な処分費用の削減につなげることが可能です。
適切なメンテナンスと保管でコスト削減を実現する

ゴムクローラーの亀裂部分から油分や水分が浸透すると、設計上の重量に加えて余計な重量が発生します。
これが処分時の費用に直結するため、日頃からのメンテナンスと保管方法の見直しが重要です。以下のポイントを押さえておくと効果的です。
- 定期点検と補修
ゴムクローラーの亀裂や劣化部分を定期的にチェックし、早期に補修を行うことで、油分や水分の浸透を防止できます。これにより、重量の変化を最小限に抑え、将来的な処分費用の増加を防ぐことができます。 - 適切な保管環境の確保
長期間の屋外保管は、直射日光や雨風による劣化を招きやすく、結果として内部に不要な水分が染み込む原因となります。温度や湿度が管理された環境での保管、またはカバー等を用いた保護対策を行うことが望ましいです。 - 早めの処分依頼の検討
ゴムクローラーは、使用状況や保管期間が長くなるほど劣化リスクが高まります。劣化が進む前に産業廃棄物処分業者へ早めに依頼することで、重量の増加による処分費用の上昇を回避できる可能性があります。
これらの対策は、単に処分費用を抑えるだけでなく、現場全体の運用コスト削減にも寄与するため、日頃の管理において重要なポイントとなります。
以下より、ゴムクローラーが消耗した際の最適な交換時期などについて解説しています。
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