適切な産業廃棄物収集運搬の重要性

環境保護や資源の有効活用を目指すうえでは適切な産業廃棄物の収集運搬が欠かせません。
適切に産業廃棄物が収集運搬されないと、適切に資源化を行えないだけでなく、それが環境汚染につながる恐れがあります。またそれだけではなく、運搬途中に廃棄物を落としてしまうことで、通行人や他の車両の事故を誘発してしまうなどのリスクがあります。
特にゴムクローラーやタイヤは大型で重量があり、運搬時に注意が必要です。
適切な収集運搬には専門的な知識と技術、積載方法や固定方法について厳重な対策が求められます。
今回はゴムクローラーやタイヤの適切な運搬方法について解説します。
ゴムクローラーやタイヤの収集運搬の課題

ゴムクローラーやタイヤを収集運搬する際には以下のような課題があります。
- 重量: ゴムクローラーは農機用で1本あたり概ね20kg~180kg、建機用で20kg~2,000kgとその横幅により大きく重さが変動します。
大型で重量があるため、積載量に制限があります。車両の容積に余裕があるように見えるからといって容量いっぱいまで積み込んでしまうと、車両に積載できる重量が超過してしまうことがあるため、見極めが重要です。
ゴムクローラーは農機用や建設機械用によって芯金のピッチ(間隔)が違うため、見た目ではわかりにくいですが重さは相当な違いが出てしまいます。 - サイズ:タイヤやゴムクローラーは大きなものから小さな物までバリエーションが多く、車両の選定や積み方を誤ってしまうと本来積めるはずの重量が積めず、運搬の回数が増えてしまうことで車両運行の回数が増え、排出ガスなどにより環境汚染を招いてしまう可能性があります。
これらの課題に対応するためには、適切な車両の選定などの設備と技術が必要です。
効率的な収集運搬方法

効率的に収集・運搬を行うためのポイントを紹介します。
- 専用車両の活用: ゴムクローラーやタイヤを安全に運ぶために、耐久性の高い運搬車両を使用します。
車両は積載する種類・量により担当者が選定し運行しています。車両には、より安全に搬送するためにスタンション(支柱)を設置するなど専用の仕様となっている車両を使用することでより安全により効率的に運搬が可能となります。 - 適切な積載をするための工夫: 重心を低く保ち、車両バランスを考慮して、デッドスペースを作らずに積み込みを行えるかがポイントとなります。
それにより車両の安定性を向上させ、事故を防止します。ゴムクローラーは平面に置くと両端が膨らんでしまうため、積み込む際には工夫が必要です。
重ねて積み込む際にはゴムクローラーの端同士が重ならないようにすることで嵩張らずに上手に積むことができます。車両にゴムクローラーなどを積み込んだら、走行中にずれて落下してしまうことを防ぐためにロープやワイヤーなどで固定し、安全策をとることが重要となります。

法規制と遵守事項
産業廃棄物の収集・運搬には、法律の遵守が不可欠です。特に以下のポイントを押さえておきましょう。
- 廃棄物処理法の遵守:廃棄物の適正処理を目的とした法律です。マニフェスト携行など運搬時の管理方法などが定められています。
- マニフェストの携行:マニフェストとは廃棄物の処理状況を追跡・管理するための制度です。
積載されている廃棄物の排出者は誰なのか、どこへ何が搬送されているのかなどを確認するために、マニフェストは携行が義務付けられています。 - 許可証の携行:産業廃棄物収集運搬業者は、常に車両内に産業廃棄物収集運搬業許可証の携帯が義務付けられています。必ず積載されているか確認しましょう。
まとめ
産業廃棄物の収集・運搬は、環境保護や法令遵守の観点から極めて重要です。特にゴムクローラーやタイヤは専門的な知識と設備を用いて安全に運搬する必要があります。
効率的な運搬には専用車両の活用と、適切な積載方法をとる必要があり、それには熟練した技術が必要です。また、積載する際には重量を常に気にしなければなりません。
過積載は車両の故障や道路を傷めるなど悪い影響を与えるだけでなく、行政処分の対象となり得ます。適切な方法で適切な重量で運搬することで環境に配慮することが可能となり、持続可能な社会の実現に貢献できるでしょう。
今後、技術の進化とともにさらに効率的な運搬方法が開発されることが期待されます。産業廃棄物の適切な管理を通じて、企業の環境責任を果たしていきましょう。
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