道路工事や建設現場、農業分野など、私たちの生活を支えるさまざまな現場で活躍するショベルカーやミニバックホーなどの重機。
その足元を支えているのが「ゴムクローラー」です。
ゴムクローラーは、ぬかるんだ地面や凹凸のある場所でもスムーズに走行できるよう設計されていますが、過酷な環境下で使用されるため、時間とともに摩耗し、劣化していきます。
ひび割れや欠けが発生すると、作業中に破損し、思わぬトラブルにつながることも。スムーズな作業を続けるためには、適切な交換時期を見極め、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。
また、使用済みのゴムクローラーは適切に処分しなければ、環境負荷がかかるだけでなく、法令違反となる可能性もあります。
本記事では、ゴムクローラーの寿命や適切な交換時期、そして正しい廃棄処分の方法について詳しく解説していきます。
ゴムクローラーの寿命はどのくらい?
ゴムクローラーの寿命は3~5年が目安
ゴムクローラーの寿命は、使用環境や頻度によって異なりますが、メーカーの推奨使用期間は一般的に3年~5年とされています。
しかし、たとえ推奨期間内であっても、誤った使用方法や過酷な環境が寿命を縮める原因となることがあります。例えば、定期的なメンテナンスを怠ると劣化が早まったり、不適切な保管方法によってひび割れが発生することもあります。
ゴムクローラーの寿命を最大限に延ばすためには、適切な使用方法と定期的な点検・メンテナンスが不可欠です。
ゴムクローラーに発生しやすい不具合とは?
ゴムクローラーを使用していると、次のような不具合が発生することがあります。
- 欠損(ひび割れ・破片の剥離)
- 断裂(亀裂が深くなり、切れてしまう)
これらの不具合は、ゴムクローラーが過酷な環境で使用されることによって発生します。
ゴムクローラーが欠けたり破断した場合、軽度な損傷であれば修繕可能なケースもあります。一部の業者では補修を行っていますが、これはあくまで応急処置に過ぎません。
上の写真のように大きく切れたり欠損が進行したゴムクローラーは、早急な交換が必要です。
破損した状態で使用を続けると、作業中のトラブルや事故の原因となる可能性があるため、早めの対処を心がけましょう。
ゴムクローラーを長持ちさせるためのポイント
ゴムクローラーの寿命を延ばし、交換頻度を減らすためには、正しい使用方法と適切なメンテナンスが欠かせません。
ここでは、長く快適に使用するためのポイントを紹介します。
ポイント1:負担を減らして寿命を延ばす
- 鋭利な地面での使用をなるべく避ける
砕石やコンクリート片が多い場所では、ゴムクローラーが傷つきやすく、摩耗が早まります。 - 急発進・急停止・急旋回を控える
無理な操作はゴムクローラーに過度な負荷をかけ、摩耗や損傷の原因になります。 - メーカー推奨の張度で使用する
張りすぎると断裂のリスクが高まり、緩すぎるとスリップしやすくなります。定期的に張度を確認しましょう。
ポイント2:劣化を防ぐ習慣を
- 油分や異物が付着したら早めに拭き取る
油や化学物質がゴムに染み込むと、劣化が早まります。使用後はチェックし、汚れがあれば除去しましょう。 - 長期間使用しない場合は、張りを緩める
ゴムクローラーは張力がかかり続けるとひび割れや変形を起こすことがあります。しばらく使わない場合は適度に緩めて保管しましょう。 - 保管場所は直射日光を避け、風通しの良い場所に
紫外線や高温はゴムの劣化を加速させるため、屋外での直置きは避け、日陰や屋内で保管しましょう。
ゴムクローラーの摩耗にも注意!交換時期の目安
ゴムクローラーは適切に使用・管理していても、走行や作業の積み重ねによって確実に摩耗していきます。自動車のタイヤと同じように、山(トレッド)が減るとグリップ力が低下し、スリップや事故のリスクが高まります。
また、見た目に問題がなくても、長期間の使用による劣化は避けられません。摩耗の進行度にかかわらず、メーカーの推奨する3~5年を目安に交換することが推奨されます。
定期的な点検を行い、常に安全な状態を保ちましょう。
交換後のゴムクローラーは「産業廃棄物」となり適切な処分が必要
ゴムクローラーを交換した後、不要になったものは「産業廃棄物」に分類され、適切な処分が必要です。
誤った方法で処理すると、法的な罰則を受ける可能性があるため注意しましょう。
ゴムクローラーの処分は専門業者に委託を
ゴムクローラーは大型で重量もあるため、自社での処分が困難なケースがほとんどです。
そのため、許可を持つ産業廃棄物処理業者に処分を委託することが推奨されます。
詳細は以下をご参照ください。
適切に処分しないと法的リスクも!
不適切な処分を行うと、行政処分や罰則の対象となる可能性があります。
さらに、違法な廃棄が発覚すると、企業の信用問題にも発展しかねません。
また、不要なゴムクローラーを長期間保管してしまうと…
- 処分費用がかさむ(大量処分のコスト増)
- 保管スペースを圧迫する(作業効率の低下)
- 処分が後回しになり、さらに負担が増える
このような悪循環を防ぐためにも、処分量が少ない段階で専門業者へ相談するのがベストです。
早めに対応することで、コストの削減や法令遵守にもつながります。
まとめ
ゴムクローラーは過酷な環境で使用されるため、適切な交換時期の把握と日々のメンテナンスが重要です。
長持ちさせるためには、使用方法を工夫し、定期的な点検を行いましょう。また、交換後のゴムクローラーは産業廃棄物として適切に処分する必要があります。
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