産業廃棄物の判断と廃棄する際の注意点について

事業活動に伴う廃棄物、特に産業廃棄物の処理は、企業にとって避けて通れない課題です。
種類が多岐にわたり、法規制も複雑なため、『これは産業廃棄物なのか?』と悩む方も多いのではないでしょうか。

また、不適切な廃棄は法的な問題に発展する可能性もあります。

この記事では、産業廃棄物の判断基準や、廃棄する際の注意点について詳しく解説します。

廃棄物の定義と一般廃棄物、産業廃棄物の違いについて

事業活動によって生じるごみは、家庭から出るごみとは異なるルールで管理されています。
一体、それらのゴミは何が違うのでしょうか?そもそも廃棄物とはどのような定義なのか。

そして、どのようなものが産業廃棄物に該当するのか、その基準について以下で解説していきます。

そもそも廃棄物とは何を指すのか

まずは廃棄物の定義を見ていきましょう。

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(通称:廃棄物処理法)における『廃棄物』の定義では、以下のようになっています。

ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、糞尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体そのほかの汚物又は不要物であって、固形状又は液状のもの

【出典】 廃棄物処理法(第二条)

 

注意点として、定義に記載された内容以外にも、以下のように廃棄物として認められない環境省の通知、判例などがあるため、それらも把握しておく必要があります。

<関係する通知、判例等>

廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で売却することができないために不要になつた物をいい、これらに該当するか否かは、占有者の意思、その性状等を総合的に勘案すべきものであつて、排出された時点で客観的に廃棄物として観念できるものではないこと

【出典】 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正について(昭和 52 年3月 26 日環計第 37 号厚生省環境衛生局水道環境部計画課長通知)

自ら利用し又は他人に有償で譲渡することができないために事業者にとって不要になった物をいい、これに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び事業者の意思等を総合的に勘案して決するのが相当である

【出典】 「おから事件」最高裁判例(最二小決平成 11 年3月 10 日刑集 53 巻3号 339 頁)

【出典】 廃棄物の定義(環境省)

 

そして、廃棄物の括りの中には「一般廃棄物」「産業廃棄物」の2種類あり、産業廃棄物の定義も『廃棄物処理法』という法律で決められています。

どのようなものが産業廃棄物となるのか

産業廃棄物とは、簡単に言うと、事業活動に伴って生じるゴミのうち、リサイクルや再利用、売却することが困難で、最終的に廃棄処分しなければならないものを指しています。
産業廃棄物は、以下のように法律(廃棄物処理法第2条)と政令に基づき、計20種類に細かく分類されています。

法律で定められた6種類

  • 燃え殻
  • 汚泥
  • 廃油
  • 廃酸
  • 廃アルカリ
  • 廃プラスチック類

政令で定められた14種類

  • 紙くず
  • 木くず
  • 繊維くず
  • 動植物性残さ
  • 家畜ふん尿
  • 家畜の死体
  • ゴムくず
  • 金属くず
  • ガラスくず
  • 陶磁器くず
  • 鉱さい
  • がれき類
  • ダスト類
  • 上記産業廃棄物を処分するために処理したもの

そして、上記に該当しない廃棄物は『一般廃棄物』ということになります。
一般廃棄物とは、私たちが家庭で出すゴミ(生ごみ、紙ごみ、プラスチックごみなど)が代表的なものです。

一般廃棄物と産業廃棄物の区分について詳しくは、環境省が公表している以下の資料をご参照ください。

【参考】 一般廃棄物・産業廃棄物の区分について(環境省)

産業廃棄物を処分業者に委託する際に必要なこと

行政から許可を得ている業者を選ぶ

産業廃棄物の処分は、原則として排出事業者自身が行うこととされています。

しかし、専門的な設備や人員が必要となるため、事業活動に支障が出る場合があります。
そのため、法律では、排出事業者が自ら処分できない場合、産業廃棄物処理業者に処分を委託することが認められています。

ここで業者を選ぶポイントは、
処分を委託する産業廃棄物処分業者が行政から許可を得ている業者かどうかを確認することです。

法律では、排出事業者と処分業者は必ず契約書を交わして契約を行うことが定められており、無許可業者との取引や契約書のない取引は法律違反となります。
罰則や行政処分を受けてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

また、契約書には処分業者の許可証の写しを添付することが法律で定められているため、必ず許可証の写しが添付されているか、許可されている区分(廃棄物の種類)が正しいかどうかを確認する必要があります。

なお、千葉県における産業廃棄物の処理、委託等に関する内容は以下になります。

【参考】 令和2年版:産業廃棄物の適正処理について事業者の皆様へ(千葉県生活環境部)

また、廃棄物の運搬には、都道府県知事から収集運搬の許可を受けている業者を選ぶ必要があります。
各都道府県のホームページでは、許可を受けた業者のリストが公開されていますので、必ず確認するようにしましょう。


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