企業活動や工場、建設現場、物流拠点などから日々発生している「産業廃棄物」。
その処理の最終段階としてよく聞く言葉が「最終処分」です。

しかし、
- 最終処分=埋立処分のイメージがあるが実際どうなの?
- リサイクルと最終処分の違いは?
- 廃棄されてもまだ使えるものは売却しても最終処分と言える?
- サーマルリサイクルは最終処分なのか?
といった点について、正しく違いを理解している方は意外と多くありません。
本記事では、産業廃棄物業界ではない方にも分かるように、
- 最終処分の意味とは
- 中間処理・リサイクルとの違い
- 有価物として売却する場合の扱い
- リサイクルとの関係
- 排出事業者が知っておくべき注意点
を整理して解説します。
そもそも「産業廃棄物」とは?
産業廃棄物とは、事業活動に伴って発生する廃棄物のうち、法律で定められた20種類のものを指します。
家庭から出る「一般ごみ」とは異なり、事業者自らが責任をもって処理方法を判断し、適正に処分する義務があります。
代表的な産業廃棄物には、以下のようなものがあります。
- 廃プラスチック類
- 金属くず
- 木くず
- ガラスくず・コンクリートくず・陶磁器くず
- ゴムくず
- 汚泥
- 廃油
- 廃酸・廃アルカリ
家庭から出る「一般ごみ」とは異なり、事業者が自らの責任で適正処理する義務があります。
「最終処分」とは何を意味するのか?
法律上、産業廃棄物の処理は大きく次の流れになります。
- 収集・運搬
- 中間処理
- 最終処分
このうち最終処分とは、「これ以上処理工程が続かない状態にすること」を指します。
これだけではイメージが沸かない方も多いと思います。詳しく順を追ってみていきたいと思います。
ポイントは、「埋立すること」だけが最終処分ではないという点です。
一般的にイメージされる最終処分(埋立処分)
最も分かりやすい最終処分が埋立処分です。
埋立処分を最終処分と認識している方が多いと思います。実は産業廃棄物として排出されたもののうち、埋め立て処分となってしまうものは全体の約2%であり、約98%は資源化されているのです。

埋め立て処分場について簡単にみていきましょう。
埋立処分場の種類は主に以下の3つに分かれます。
- 安定型最終処分場
- 管理型最終処分場
- 遮断型最終処分場
実は埋立処分場には3種類あり、それぞれ埋め立てる廃棄物により機能や構造が異なっており、使い分けています。
資源として活用することができずリサイクルできない廃棄物は最終処分場に埋め立てられ、分解が進み環境中に無害な状態に戻されることで「処理が完結」するため、これが最終処分になります。
中間処理と最終処分の違い
中間処理とは
- 破砕
- 圧縮
- 焼却
- 脱水
- 選別
など、受け入れした廃棄物の性状や量を変える工程です。
実は中間処理という工程は、資源として再活用できるものと資源化できずに埋立処分となるものを選別する工程であり、ここでの選別が埋立処分を減らす最も重要なポイントなのです。
中間処理はあくまで「途中工程」であり、その後に行き先があります。
そして、中間処理の過程で再資源化できたものもその時点で、廃棄物から資源へと変わるので廃棄物としての「最終処分」という考え方をしています。
つまり、最終処分とは
- 埋立
- 再資源化による原料化
- 燃料化してエネルギーとして消費
など、廃棄物から資源へと変わる段階もしくは埋立処分となる状況です。
リサイクルされても「最終処分」になる理由
先程も説明したように、多くの方が誤解しており最も重要なポイントがここです。
リサイクル=最終処分ではない
と思われがちですが、実は
リサイクルされた時点でも最終処分と扱われます。
なぜかというと、廃棄物が「製品」や「原料」として社会に戻ることで、廃棄物としての処理工程が終了し、資源化するからです。
例として、
- 廃プラスチック → ペレット化 → プラスチック製品原料
- 廃金属 → 製鋼原料
- 廃タイヤ → ゴム粉末 → マットや舗装材
これらはすべて最終処分完了とみなされます。
有価売却しても最終処分になる?
はい、なります。
産業廃棄物として引き取ってきた廃棄物のなかにはまだ使用できるような状態の物もあり、それらは産業廃棄物処分業者により、売却される場合があります。それは違法ではなく正式に認められており、立派な資源化となります。
つまり、
- 買取価格がつく
- 有価物として売却できる
場合では、
もともと排出者が廃棄したものが「不要物」であっても、それを産業廃棄物業者が有価物として販売できた
上記の場合は、最終処分の一形態として扱われます。
重要なのは、「処理の目的で手放していても、価値があるものとして値段が付き売却できた時点で廃棄物ではなくなる。」ということです。
有価物取引と廃棄物処理の境界
実は有価物と廃棄物の境界は非常に複雑であり、以下のようなケースは注意が必要な場合があります。
有価物と認められやすい例
- 品質規格が明確になっている
- 継続的な売買契約
- 中古市場での取引価格が存在
廃棄物と判断されやすい例
- 品質が不安定
- 引取先が「処理業者」
- 実質的に処理費が発生している。(買取り料金の他に検品料などの名目で実際には支払いの方が多くなるなど)
実務では、形式上は売却でも、実態は処分扱いとなるケースが多くあります。
資源化(リサイクルなど)とは?
資源化とは広い意味で使われており、先ほど説明した有価物としての売却のほかにサーマルリサイクルやケミカルリサイクル、マテリアルリサイクルなどと言った言葉があり、それらへと活用されることも資源化とされています。
一例として日本での廃プラスチック類の再資源化率をみてみると、サーマルリサイクルが約60%、マテリアルリサイクルが約20%、ケミカルリサイクルが約3%とサーマルリサイクルが圧倒的な数字となっております。
【出典】プラスチックリサイクルの基礎知識 2025
サーマルリサイクルも最終処分になる理由
ここでは最も利用されているサーマルリサイクルについてみていきます。
サーマルリサイクルとは燃焼により熱エネルギーを回収するリサイクル方法で、廃プラスチック類のように燃焼すると高エネルギーを発生する廃棄物に適した資源化の方法と言えます。
サーマルリサイクルを目的として、必要な形や大きさに加工しエネルギー利用者に引き渡された時点でそれは資源となるため、廃棄物としての最終処分が完了したこととなります。
つまり、「サーマルリサイクル=最終処分」と整理されます。
マテリアル・ケミカル・サーマルや埋立処分との関係
| 区分 | 内容 | 最終処分扱い |
|---|---|---|
| マテリアルリサイクル | 材料として再利用 | 〇 |
| ケミカルリサイクル | 化学分解して原料化 | 〇 |
| サーマルリサイクル | 熱回収 | 〇 |
| 埋立 | 地中処分 | 〇 |
どのルートでも「最終段階」に到達すれば最終処分です。
よくある誤解まとめ
〇 リサイクル=最終処分の一形態
✕ リサイクル=最終処分ではない
〇 実態が処分なら最終処分
✕ 有価売却=最終処分ではない
これからの最終処分の方向性
- 埋立量の削減
- 資源循環型処理の拡大
- エネルギー回収率の向上
「最終処分=捨てる」から「最終処分=循環の出口」へと考え方が変わっています。
まとめ

産業廃棄物の最終処分とは、
廃棄物としての処理が完結する段階
を指します。
- 埋立処分
- リサイクル
- 有価売却
- サーマルリサイクル
すべてが最終処分になり得ます。
排出事業者は、「どの方法で、どこで、どのように最終処分されているか」を把握することが、法令遵守とリスク管理の第一歩です。
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