これって違反?産業廃棄物収集運搬の判断力クイズ【10問】

産業廃棄物の収集運搬では、「少しだけなら大丈夫」「いつもやっているから問題ない」と思っていた行為が、実は廃棄物処理法上の違反や行政指導の対象になることがあります。
ここでは、排出事業者や現場担当者が判断に迷いやすいケースをクイズ形式で確認していきます。


第1問

問題
排出事業者が、以前から付き合いのある収集運搬業者に産業廃棄物の運搬を依頼しました。
しかし、契約時に収集運搬業許可証の有効期限や許可品目を確認していませんでした。これは問題ないでしょうか。

選択肢
A. 問題ない。過去に依頼したことがあれば確認不要
B. 違反または違反につながるおそれがある
C. 収集運搬業者側だけの問題で、排出事業者には関係ない

答え:B. 違反または違反につながるおそれがある

解説
産業廃棄物の処理を委託する場合、排出事業者は廃棄物処理法第12条第5項・第6項に基づき、委託基準に従って委託しなければなりません。
許可の有効期限、許可品目、積む場所・降ろす場所を確認せずに委託すると、無許可業者への委託や許可範囲外委託となる可能性があり、排出事業者責任を問われる可能性があります。


第2問

問題
現場が急いでいたため、排出事業者が「マニフェストは後で作るので、先に運んでください」と収集運搬業者に依頼しました。これは問題ないでしょうか。

選択肢
A. 後日作成すれば問題ない
B. 少量であれば問題ない
C. 違反になる

答え:C. 違反になる

解説
産業廃棄物の処理を委託する場合、排出事業者は廃棄物処理法第12条の3第1項に基づき、産業廃棄物管理票、いわゆるマニフェストを交付する必要があります。
マニフェストは「後で作るもの」ではなく、廃棄物の引渡し時に交付されるものであり、処理の流れを管理するための重要書類です。必ず引き渡しと同時に交付しましょう。


第3問

問題
産業廃棄物を運搬する車両に「産業廃棄物収集運搬車」の表示はありましたが、片側の表示がはがれていて、反対側にしか表示がありませんでした。これは問題ないでしょうか。

選択肢
A. 片側に表示があれば問題ない
B. 車両の前後どちらかに表示があれば問題ない
C. 表示義務違反となるおそれがある

答え:C. 表示義務違反となるおそれがある

解説
産業廃棄物の収集運搬車両には、施行令第6条第1項第1号などに基づき、産業廃棄物の収集又は運搬の用に供する車両である旨などを見やすく表示する必要があります。
環境省の資料でも、車体の両側面に識別しやすく表示することが求められており、表示がはがれている場合は早急な補修が必要です。直ちに違反にならなくても、違反となる可能性があるものは直ちに修正が必要です。


第4問

問題
収集運搬業者が、許可証の写しを事務所には保管していましたが、運搬車両には積んでいませんでした。これは問題ないでしょうか。

選択肢
A. 事務所にあれば問題ない
B. 常時運搬車両に備え付ける必要がある
C. 警察や行政から求められたときに後日提出すればよい

答え:B. 運搬車両に備え付ける必要がある

解説
産業廃棄物の収集運搬車両には、施行令第6条第1項第1号および関連する施行規則に基づき、必要な書面を備え付ける必要があります。
許可業者の場合は、許可証の写しやマニフェストなどを携帯することが求められます。マニフェストを常時携行する必要があるのは、何か対応しなければならない事態が発生した際にどのような性状の廃棄物なのかを客観的に証明するためです。


第5問

問題
収集運搬業者が、処分場への搬入時間に間に合わなかったため、回収した産業廃棄物を自社ヤードに一晩だけ置き、翌朝処分場へ運びました。積替保管の許可はありません。これは問題ないでしょうか。

選択肢
A. 一晩だけなら問題ない
B. 屋外でなければ問題ない
C. 積替保管に該当する可能性があり、違反のおそれがある

答え:C. 積替保管に該当する可能性があり、違反のおそれがある

解説
産業廃棄物収集運搬業の許可には、「積替え又は保管を含む」場合と「積替え又は保管を除く」場合があります。
積替保管なしの許可で、自社施設等に一時保管すると、許可範囲外の行為と判断されるおそれがあります。処分場の営業時間を確認し、間に合うように計画的に運搬しましょう。


第6問

問題
収集運搬車両の荷台に廃プラスチック類やゴムくずを積みましたが、荷台シートをかけず、走行中に一部が飛散しそうな状態でしたが結果的に飛散はせず無事に処分場まで運搬が出来ました。これは問題ないでしょうか。

選択肢
A. 実際に落下していなければ問題ない
B. 飛散・流出のおそれがあれば問題がある
C. 短距離運搬なら問題ない

答え:B. 飛散・流出のおそれがあれば問題がある

解説
産業廃棄物の収集運搬では、施行令第6条第1項第1号により、廃棄物が飛散・流出しないようにすることが求められます。
実際に落下してから問題になるのではなく、飛散・流出のおそれがある状態で運搬すること自体が処理基準違反となる可能性があります。天候が悪い日にだけ落下防止措置を行うのではなく、常日頃からシートを掛けるなど対策を必ず行いましょう。


第7問

問題
排出事業者と収集運搬業者は長年の取引関係があるため、委託契約書を作成せず、電話で依頼して産業廃棄物を運搬してもらいました。これは問題ないでしょうか。

選択肢
A. 長年の取引があれば問題ない
B. 請求書があれば契約書の代わりになる
C. 書面による委託契約が必要

答え:C. 書面による委託契約が必要

解説
産業廃棄物の処理委託では、廃棄物処理法第12条第5項・第6項および施行令第6条の2に基づく委託基準を守る必要があります。
収集運搬を委託する場合も、許可を有する業者と、法定記載事項を満たした書面契約を締結することが必要です。


第8問

問題
収集運搬業者の許可証には「廃プラスチック類」はありましたが、「金属くず」は含まれていませんでした。
排出物はゴムと金属が混ざった複合物でしたが、「似たようなものだから」と運搬しました。これは問題ないでしょうか。

選択肢
A. 似た性状であれば問題ない
B. 許可品目に該当しない廃棄物を運搬すると違反となる
C. 排出事業者が了承していれば問題ない

答え:B. 許可品目に該当しない廃棄物を運搬すると違反となる

解説
産業廃棄物収集運搬業の許可は、廃棄物の種類ごとに確認する必要があります。
許可品目に含まれない廃棄物を受託・運搬すると、許可範囲外の処理となり、収集運搬業者だけでなく、委託した排出事業者側も委託基準違反を問われる可能性があります。


第9問

問題
収集運搬業者が、当日急遽車両の都合がつかなくなったため、排出事業者に知らせず、別の運送会社に産業廃棄物の運搬を任せました。これは問題ないでしょうか。

選択肢
A. 運搬できれば誰が運んでも問題ない
B. 排出事業者が知らなければ問題ない
C. 再委託に該当し、原則としてこの場合は違反になる

答え:C. 再委託に該当し、原則としてこの場合は違反になる

解説
産業廃棄物処理業者による再委託は、廃棄物処理法第14条第16項により原則として禁止されています。
例外的に再委託が認められる場合もありますが、排出事業者の書面承諾など、施行令・施行規則で定められた基準を満たす必要があります。


第10問

問題
電子マニフェストを使用しているため、収集運搬業者は「紙のマニフェストがないので、車両に書類は不要」と判断しました。これは問題ないでしょうか。

選択肢
A. 電子マニフェストなら書類携帯は一切不要
B. 電子マニフェストでも、必要な情報を確認できる状態にする必要がある
C. 処分場に着いてから確認できればよい

答え:B. 電子マニフェストでも、必要な情報を確認できる状態にする必要がある

解説
電子マニフェストを使用する場合でも、運搬する産業廃棄物の種類・数量、委託者、積載日、積載場所、運搬先などの情報を確認できる状態にしておく必要があります。
環境省の案内でも、電子情報やそれを表示できる機器などにより、必要事項を確認できるようにすることが求められています。


まとめ

産業廃棄物の収集運搬では、単に「運ぶ」だけでなく、許可、契約、マニフェスト、車両表示、書類携帯、飛散防止、再委託禁止など、複数のルールを守る必要があります。
特に排出事業者は、処理を業者に任せた後も責任がなくなるわけではありません。委託前の確認と、委託後の管理を徹底することが、不適正処理や法令違反を防ぐ第一歩です。


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