
建設機械や農業機械で使用されるゴムクローラー、トラックや重機などで使用された廃タイヤは、寿命を迎えると交換・処分が必要になります。
しかし、いざ処分しようとすると、
「どこに依頼すればいいのか分からない」
「産業廃棄物として処理する必要があるのか」
「見積もりを取るには何を伝えればよいのか」
「マニフェストや契約書は必要なのか」
「ホイール付きタイヤや大型タイヤも回収してもらえるのか」
といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
廃ゴムクローラーや廃タイヤは、排出事業者の責任のもとで適正に処理する必要があります。特に事業活動によって発生したものは、産業廃棄物として扱われ、処理業者への委託、契約書の締結、マニフェストの交付など、法律上の手続きが関係します。
一方で、回収を依頼する前に必要な情報を整理しておくことで、見積もりや回収日程の調整がスムーズになります。逆に、数量やサイズ、保管状況が分からないまま問い合わせをすると、正確な金額が出せなかったり、当日の回収作業に時間がかかったりすることがあります。
この記事では、廃ゴムクローラー・廃タイヤの回収を依頼する前に準備しておきたい情報や、写真の撮り方、サイズ・本数の伝え方、保管場所の確認、委託契約書やマニフェストの基本まで、実務目線で分かりやすく解説します。
廃ゴムクローラー・廃タイヤはなぜ事前確認が重要なのか
廃ゴムクローラーや廃タイヤは、一見すると「不要になったゴム製品」に見えますが、実際には重量・サイズ・形状・材質が大きく異なります。
例えば、同じゴムクローラーでも、農業機械用と建設機械用では重さや構造が異なります。建設機械用のゴムクローラーは太めの芯金やゴムの厚みが違うため重量があり、搬出方法にも注意が必要です。農業用ゴムクローラーも、幅や長さ、重量によって処理費用が変わります。
廃タイヤについても、乗用車用タイヤ、大型トラック用タイヤ、農耕タイヤ、ORタイヤ、ホイール付きタイヤなど、種類によって回収時の取り扱いが異なります。特に大型タイヤや重機用タイヤは、手作業だけで簡単に動かせない場合もあります。
回収業者が事前に知りたいのは、主に以下のような情報です。
・どのような品目なのか
・どれくらいの数量があるのか
・サイズや重量はどの程度か
・どこに保管されているのか
・車両が近くまで入れるのか
・積み込み作業に重機やフォークリフトが必要か
これらの情報が分かると、回収に必要な車両、人員、作業時間、処理方法を判断しやすくなります。
つまり、事前準備は単なる事務作業ではなく、適正処理とスムーズな回収のために欠かせない工程なのです。
回収依頼前に確認しておきたい基本情報
廃ゴムクローラー・廃タイヤの回収を依頼する際には、まず以下の情報を整理しておくと便利です。
1. 品目
まず確認したいのは、処分したいものが何に該当するかです。
主な品目としては、以下のようなものがあります。
・ゴムクローラー
・建機用ゴムクローラー
・農機用ゴムクローラー
・普通タイヤ
・大型タイヤ
・農耕タイヤ
・ORタイヤ
・ホイール付きタイヤ
・コンベアベルト
・ゴムパッド
・その他ゴム製品
「タイヤ」と一言でいっても、乗用車用なのか、トラック用なのか、農業機械用なのか、重機用なのかによって処理の方法や作業条件は変わります。
また、ゴムクローラーの場合も、建設機械用か農業機械用かで重量感が変わります。問い合わせ時には、分かる範囲で「建機用」「農機用」「大型タイヤ」「ホイール付き」など、具体的に伝えるとよいでしょう。
2. 数量
次に重要なのが数量です。
ゴムクローラーであれば「何本あるか」、タイヤであれば「何本あるか」、コンベアベルトであれば「何枚・何巻・どれくらいの長さがあるか」を確認します。
数量が正確に分からない場合でも、おおよその数を伝えるだけで見積もりの精度は上がります。
例えば、
・ゴムクローラー 10本程度
・大型タイヤ 30本程度
・ホイール付きタイヤ 15本程度
・コンベアベルト 数枚
・農耕タイヤ 4本
といった形で問題ありません。
ただし、実際の回収時に数量が大きく異なると、車両の積載量をオーバーしてしまうことがあります。そのため、可能であれば事前に本数を数えておくことをおすすめします。
3. サイズ
ゴムクローラーやタイヤは、サイズによって処理費用や積載車両が変わることがあります。
ゴムクローラーの場合は、以下のような情報が参考になります。
・横幅
・建機用か農機用か
タイヤの場合は、タイヤ側面に記載されているサイズを確認するとよいでしょう。例えば、タイヤには「〇〇R〇〇」などのサイズ表記があります。
ただし、すべてを正確に測る必要はありません。分からない場合は、写真を送るだけでも判断材料になります。
4. 保管場所
回収時にとても重要なのが、保管場所の状況です。
同じ数量でも、狭いヤードにまとめて置いてある場合と、広い場所に分散して置いてある場合では、作業時間が大きく変わります。
確認しておきたいポイントは以下の通りです。
・屋外か屋内か
・大型車両が近くまで入れるか
・フォークリフトや重機が使用できるか
・周囲に障害物がないか(クローラーの置場周囲に重機などを留め置きしているなど)
・道路幅や入口の高さに制限がないか
特に大型のゴムクローラーやタイヤは重量があるため、保管場所の状況によって作業のしやすさが大きく変わります。
回収業者に相談する際は、「どこに置いてあるか」「車両がどこまで入れるか」を伝えると、当日の作業がスムーズになります。
写真を撮って送ると見積もりがスムーズになる

廃ゴムクローラーや廃タイヤの回収依頼では、写真が非常に役立ちます。
電話やメールだけでは、サイズ感や保管状況を正確に伝えるのが難しいことがあります。しかし写真があれば、業者側も品目・数量・状態・搬出条件を判断しやすくなります。
撮影しておきたい写真
おすすめの写真は以下の通りです。
・全体が分かる写真
・大体の数量が分かる写真
・サイズ感が分かる写真
・保管場所の周辺写真
・車両の進入経路が分かる写真
・ホイール付きかどうか分かる写真
・ゴムクローラーの幅や形状が分かる写真
・コンベアベルトの場合は長さや巻き方が分かる写真
写真は1枚だけでなく、複数枚あると判断しやすくなります。
例えば、ゴムクローラーが山積みになっている場合は、近くから撮った写真だけでなく、少し離れた場所から全体を撮った写真もあるとよいでしょう。
写真撮影時のポイント
写真を撮るときは、以下の点を意識すると伝わりやすくなります。
・明るい場所で撮影する
・全体が切れないように撮る
・数量が分かるように引きで撮る
・比較対象として人や車両、メジャーなどを入れる
・保管場所の入口や通路も撮る
・ピントが合っているか確認する
特にサイズが大きいものは、写真だけでは大きさが伝わりにくいことがあります。その場合、近くにメジャーやヘルメット、車両などが写っていると、サイズ感を把握しやすくなります。
見積もり時に費用が変わりやすいポイント
廃ゴムクローラー・廃タイヤの処分費用は、単純に「1本いくら」と決まるわけではありません。品目や数量、重量、回収場所、運搬距離、作業条件などによって変わることがあります。
ここでは、費用が変わりやすい主なポイントを紹介します。
1. 重量
ゴムクローラーやタイヤは、見た目以上に重量があります。
特に建設機械用のゴムクローラーや大型タイヤは重く、処理費用や運搬費用に影響します。新品時の重量やサイズが分かる場合は、見積もりの参考になります。
2. 数量
数量が多い場合は、車両の手配や作業時間に影響します。
一度に積み切れる量であれば効率よく回収できますが、量が多い場合は複数回の回収や大型車両の手配が必要になることもあります。
3. 回収場所
回収場所が遠方の場合や、車両が入りにくい場所の場合は、運搬費や作業費が変わることがあります。
また、山間部、農地、建設現場、狭い敷地内などでは、事前確認が重要です。
産業廃棄物として処理する場合に必要な手続き
事業活動によって発生した廃ゴムクローラーや廃タイヤは、産業廃棄物として適正に処理する必要があります。
排出事業者には、廃棄物が最後まで適正に処理されるよう確認する責任があります。処理を業者に委託する場合でも、責任が完全になくなるわけではありません。
委託契約書の締結
産業廃棄物の処理を委託する場合、原則として、収集運搬業者や処分業者と書面で委託契約を結ぶ必要があります。
委託契約書には、主に以下のような内容が記載されます。
・委託する廃棄物の種類
・収集運搬の内容
・処分の方法
・契約期間
・料金
・許可情報
・処理施設の所在地
・契約当事者の情報
委託契約書は、単なる形式的な書類ではありません。どの業者に、どの廃棄物を、どのように処理してもらうのかを明確にするための重要な書類です。
マニフェストの交付
産業廃棄物を処理業者へ引き渡す際には、マニフェストを交付します。
マニフェストは、産業廃棄物が適正に処理されたかを確認するための管理票です。排出事業者は、廃棄物の引き渡しから処分完了までの流れを確認する必要があります。
マニフェストには、紙マニフェストと電子マニフェストがあります。
紙マニフェストの場合は、控えの保管や返送確認が必要です。電子マニフェストの場合は、システム上で処理状況を確認できます。
どちらの場合でも、「業者に渡したら終わり」ではなく、最終的に処理が完了したかを確認することが大切です。
回収当日の流れ
実際に回収を依頼した場合、一般的には以下のような流れで進みます。
1. 問い合わせ
まずは電話、メール、問い合わせフォーム、LINEなどで相談します。
このとき、品目・数量・写真・保管場所・希望日程などを伝えるとスムーズです。
2. ヒアリング・見積もり
業者側が、廃棄物の種類や数量、回収場所、作業条件などを確認します。
必要に応じて、写真の送付や現地確認を行う場合もあります。
3. 委託契約の締結
産業廃棄物として処理する場合は、収集運搬や処分に関する委託契約を締結します。
契約内容を確認し、許可情報や委託内容に問題がないか確認しましょう。
4. 回収日の調整
回収希望日を調整します。
大型車両が入る場合や、フォークリフトなどを使用する場合は、当日の作業スペースを確保しておくと安心です。
5. 回収作業
回収当日は、事前に確認した場所から廃ゴムクローラーや廃タイヤを積み込みます。
状況によっては、作業員による積み込みや、重機・フォークリフトを使った作業が行われます。
6. マニフェスト発行・処理
産業廃棄物として処理する場合は、マニフェストを発行し、処理の流れを管理します。
処理完了後は、必要に応じて報告や請求書の送付が行われます。
よくある質問
少量でも回収を依頼できますか?
数量が少ない場合でも、回収できるケースがあります。ただし、1台当たりの車両代が別途かかる業者も多いので必ず確認しましょう。また、回収場所や品目、タイミングによって費用が変わることがあります。まずは品目と数量を伝えて相談するのがおすすめです。
ゴムクローラーが切れていても回収できますか?
基本的にゴムクローラーの状態はどのような状態でも問題となることはありません。ただ、破損状態によって業者側は積み込み方法が変わることがあるため、写真を送ると判断しやすくなります。
マニフェストは必ず必要ですか?
事業活動に伴って発生した産業廃棄物を処理業者に委託する場合、原則としてマニフェストの交付が必要です。処理の流れを確認するためにも、マニフェスト対応ができる業者に依頼することが重要です。
依頼前チェックリスト
最後に、廃ゴムクローラー・廃タイヤの回収を依頼する前に確認しておきたい項目をまとめます。
・処分したい品目は何か
・本数やサイズ、数量はどれくらいか
・建機用か農機用か
・ホイール付きタイヤか
・コンベアベルトなど他のゴム製品が含まれるか
・保管場所は屋内か屋外か
・大型車両が近くまで入れるか
・フォークリフトや重機が使えるか
・写真の撮影は可能か
・回収希望日はあるか
このチェックリストを確認してから問い合わせることで、見積もりや回収日の調整がスムーズになります。
まとめ|廃ゴムクローラー・廃タイヤの回収は事前準備が大切
廃ゴムクローラーや廃タイヤは、重量があり、サイズも大きく、処分に手間がかかる品目です。特に事業活動によって発生したものは、産業廃棄物として適正に処理する必要があります。
回収を依頼する前には、品目、数量、サイズ、保管場所、写真、車両の進入条件などを確認しておくことが大切です。また、産業廃棄物として処理する場合は、委託契約書やマニフェストについても理解しておく必要があります。
事前に情報を整理しておけば、見積もりがスムーズになり、回収当日のトラブル防止にもつながります。
株式会社オーシャンなら収集運搬から処分まで一括して対応しています
株式会社オーシャンでは「産業廃棄物処分業」の許可に加えて「産業廃棄物収集運搬業」の許可も取得しているため、回収から処分まで完結できます。排出者であるお客様は弊社までお電話をいただければ私たちが回収に伺い、積み込みから弊社作業員にて行わせていただきますので、お客様には一切お手間はいただきません。
詳しくは以下をご参照ください。



